詩「夏のともしび」

消えかけた ロウソク
夏を偲んでる
強い風 吹き抜けて
髪を揺らせば
旅へ出た 恋人の笑顔
脳裏によみがえる
黄昏の街で 別れたあの日
引き止めていればと
後悔が止まらない

雲隠れ 見えぬ星空
もし 君がそこにいるなら
僕の声 聞いてほしい
思い出す度 流れる汗は
何時も君想う
永遠 恋のかたち
左手首の傷 目を背け
顔上げるため 記憶改竄

そんなこと出来ない
出来るはずない
流るる血 呼び止める
ずっと 忘れたくない
叫ぶ鼓動 涙のよう

学制服 炎に包まれ
紅の記録 抹消されたし
何が何でも
変わろうとした
今年の夏
ラジオから流れる
フォークソングが残酷で

崩れゆく ロウソク
消えた炎 愛 消えるように
辺りは 闇の中へ

サヨナラ…

君の声がきこえる

詩集『Poetry Essential Vol.02(2017)』より
作:坂岡 優

Yuu Sakaoka Lyrics Library

ここでは、創作家・坂岡 優が2016年より発表してきた詩を一作品ずつご覧いただけます。

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