詩「恋のイニシアチブ」
いつもの道を歩いてると君が走ってきた。
「おはよう。」
普通の挨拶
だけど、感じるトキメキ。
白いソイ仕立ての ホイップクリームが
「頬に付いてるよ。」
って、言ったら君は顔を赤くして
僕に見えないよう 振り向いた
何気ない行動が愛おしく感じる
恋ってこうなのかな?
なんにもわからなくて…
蒼色の空が 急に銀色に変わった
髪が濡れないように 傘を貸そうとした
だけど、
君は拒絶した。
その想いがわからなくて、
ただ傘を押し付け、
僕は無言で走り去った。
家に帰ってスマフォを開くと、
通知が来てた。
「読めないよ。」心の叫び。
「アイタイ。」が「アエナイ。」に変わった日
布団の中で開いてみると
「傘、ありがと。」
心が溶けたような気がした。
恋のイニシアチブは、
いつも君が握っている。
詩集『Poetry Essential Vol.01(2016)』より
作:坂岡 優
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