詩「黄昏のマスカレード」

十九世紀の古城で 始まる仮面舞踏会
弾ける人の気持ちは 秋風に揺れながら
太陽は沈み 月が昇り 深夜の街が遠く見える

世界で一人だけの 愛の結晶探して

エメラルドのネックレスと薔薇の香りが
霧に濡れた森を彷徨う 若人を惹きつける

黄昏のマスカレード 今日も始まった
夕陽が沈み始める前に リズムは刻まれた
真夜中の吟遊詩人 歩き続けてきた道よ

後悔しても遅すぎるのさ だけど仮面が外せない


現代のシンデレラ 見つける仮面舞踏会
舞い続ける若者たちは ワインに酔いながら
恋は破れ 涙流れて 目の前すら見えなくなる
数えきれぬほどの愛は風に流されたまま

伝説の剣は冬の波に沈んでゆくよ
絶望の海を彷徨う 若者を呼んでる

黄昏のマスカレード 今夜も踊り続ける
朝陽が昇り始める前に 想いをぶつけてみた
後悔という名の鎧は 目の前の河に流せばいい
振り返ってみてもダメなのさ だけど外せない仮面


世界で一人だけの 恋の天使にI Love You
だけどこの夜が明ければ また見知らぬ人に

黄昏のマスカレード 蒼く輝く瞳よ
この愛が終わる前に 心から叫ぼう
恋という名のオーケストラ 奏で続ける舞踏会
幻のようなものなのさ 仮面は外せなかった

黄昏のマスカレード 夢から醒めて
ワイングラスを片手に 絶望する若者よ
君は何処へ 割れた仮面は虚しく 河を流れる

詩集『Poetry Essential Vol.01(2016)』より
作:坂岡 優

Yuu Sakaoka Lyrics Library

ここでは、創作家・坂岡 優が2016年より発表してきた詩を一作品ずつご覧いただけます。

0コメント

  • 1000 / 1000