詩「ホワイト・ローズ・スプリング」
白い薔薇の蕾は
「恋をするには若すぎる」
という意味があるらしい
わたしは二日前に彼と別れた
すべてを忘れるために
涙を拭って 旅に出てみた
家の庭に咲いていた白い薔薇の蕾
切って
近くの河へ放り投げてから
春の江ノ島
オーシャンビューを眺めてみる
緩やかな波が眼に焼き付く
「一人旅」
だけど、寂しくなんかない
季節は変わった
わたしは長く束ねた髪を切り
彼にもう一度「好き」と言おうとした
言えなかった
わたしは言えなかった
春風 With 残酷な味 → 心に突き刺さる
「ホワイト・ローズ・スプリング」
薔薇が運んだ ほろ苦い味
「わたし」という小説の一ページ目
たぶん、この言葉が並ぶでしょう。
ショートヘアの娘
夏へ、まっしぐら。
わたし、変わります。
詩集『Poetry Essential Vol.01(2016)』より
作:坂岡 優
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