詩「セカイ」
もしも この世界に嘘がなければ
どれだけ 幸せな世界になるだろう
だけど 綺麗事ばかり つまらない
アル=カポネによく似た男は言う
もしも この世界に涙がなければ
どれだけ 非常な世界になるだろう
だけど 独裁者ばかり 恐ろしい
ソビエトに生まれた かつての少女は言う
もしも この世界の人間が全員アインシュタインならば
どれだけ 技術は進歩するだろう
だけど 天才と奇才は紙一重なんだ
マッドサイエンティストの子孫は言う
もしも この世界の時が止まったなら
どれだけ 同じことを繰り返すのだろう
だけど これからの出逢いもなくなってしまうんだ
アダムとイヴに似た まだ見ぬ恋人達は言う
もしも この世界が陸続きなら
どれだけ 旅をしやすい世界になるのだろう
だけど これまでにないくらいの混沌が待っている
ノストラダムスの遺志を受け継ぐ 預言者は言う
ひとつのセカイ ひとりのニンゲン
ジユウになるという権利
困難な状況が 更なるイカリを呼んでいる
46億年前 このウチュウを産んだ神々は
果たして 罵声が飛び交う
今のセカイを想定していたのだろうか?
流れた血と 流した涙が 問いかける
愛する人を亡くしたイカリが 新たなニクシミを煽っている
This is my world…
僕らが誇れるセカイにしよう
もっと「地球孝行」していこう
こうして 十三歳の少年の演説は終わった【国連にて】
詩集『Poetry Essential Vol.02(2017)』より
作:坂岡 優
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